シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

 『明日の記憶』 ★★

2005年、日本(東映)、カラー、1:1.85、122分
【監督】堤幸彦【原作】荻原浩
【出演】 渡辺謙樋口可南子吹石一恵坂口憲二水川あさみ袴田吉彦、市川勇、松村邦洋遠藤憲一木野花木梨憲武及川光博渡辺えり子香川照之大滝秀治田辺誠一、他
HDDレコーダー(WOWOW)
 50歳前後でアルツハイマーに冒されたサラリーマンと、彼の介護をすることになるその妻の話。
 もちろん重い話になってしまうのだが、こういう病気では症状と介護の実情に対してリアリティのある描き方が要求されると思う。
 リアリティ無しで、ただただ「大変だ」というだけの映画にだと、絵空事にしか見えず、難病をネタにしたお涙頂戴を狙った映画だと思われるかもしれない。
 その点でこの映画は、テクニカルな情報のバックボーンが不足しているのでは?と思った。
 その最たるものが、夫を家に一人で置き去りにして妻が働きに出ることで、夫の身に危険が起きるかもしれないという素人考え通りの展開になるし、夫の身に起こるトラブルによって結果的に妻も精神的に潰れてしまうことが予想され、そんなリスキーなことを安易にする展開には、病気や介護の実情が何も解っていないのでは?という疑問を持ってしまう。
 だからといって、実情を描くだけの映画だとドラマとしてのボリュームが相対的に減ってつまらない映画になってしまい、この映画ですらそうした不満も感じてしまった。
 難病モノって、フィクションとリアリティの両立という難しい課題をクリアしなければならないジャンルなのだろうか?