2005年、日本(東映)、カラー、1:1.85、122分
【監督】堤幸彦【原作】荻原浩
【出演】 渡辺謙、樋口可南子、吹石一恵、坂口憲二、水川あさみ、袴田吉彦、市川勇、松村邦洋、遠藤憲一、木野花、木梨憲武、及川光博、渡辺えり子、香川照之、大滝秀治、田辺誠一、他
HDDレコーダー(WOWOW)
50歳前後でアルツハイマーに冒されたサラリーマンと、彼の介護をすることになるその妻の話。
もちろん重い話になってしまうのだが、こういう病気では症状と介護の実情に対してリアリティのある描き方が要求されると思う。
リアリティ無しで、ただただ「大変だ」というだけの映画にだと、絵空事にしか見えず、難病をネタにしたお涙頂戴を狙った映画だと思われるかもしれない。
その点でこの映画は、テクニカルな情報のバックボーンが不足しているのでは?と思った。
その最たるものが、夫を家に一人で置き去りにして妻が働きに出ることで、夫の身に危険が起きるかもしれないという素人考え通りの展開になるし、夫の身に起こるトラブルによって結果的に妻も精神的に潰れてしまうことが予想され、そんなリスキーなことを安易にする展開には、病気や介護の実情が何も解っていないのでは?という疑問を持ってしまう。
だからといって、実情を描くだけの映画だとドラマとしてのボリュームが相対的に減ってつまらない映画になってしまい、この映画ですらそうした不満も感じてしまった。
難病モノって、フィクションとリアリティの両立という難しい課題をクリアしなければならないジャンルなのだろうか?