1984年、日本(テレビ朝日)、カラー、1:1.33、16mm、日本語&仏語、141分
【監督】小澤啓一【製作&出演&主題歌】石原裕次郎
【出演】渡哲也、舘ひろし、峰竜太、石原良純、柴俊夫、小林昭二、登亜樹子、御木裕、高城淳一、原田芳雄、武田鉄矢、宝田明、中村晃子、小林稔侍、山村聰、中丸忠雄、倉田保昭、黒部進、深水三章、中田鉄治(夕張市長)、小野武彦、中真千子、他
2017/06/21(水)再放送(21:09 NHK-BSプレミアム)、2017/06/24(土)鑑賞
<ストーリー>
パリ出張でテロリストのボスが射殺される現場に立ち会ってから約3か月後、東京でテロリストを取材していたフランスのテレビ局員が殺された。
ジャーナリストを名乗る男(原田)が大門(渡)と面会し、日本人テロリスト藤崎の襲撃計画を漏らすが、実は彼こそ藤崎で、大門軍団を標的にすることが目的で、夕張で銃撃戦が繰り広げられた。
次に藤崎は半導体世界最大手の亜細亜電機をテロの標的にして社長(山村)と一般人の少女を人質に取り、日本経済全体のダメージを考えた政府は、要求通り大門軍団を捜査から外し、身代金と逃走用旅客機を用意することにした。
大門軍団は、独断で輸送中の身代金を強奪し、無線から突き止めた孤島に上陸してテロリストを倒して人質を救出するが、大門も殉職した。
<感想>
改めて「西部警察」を見直すと、目的が「銃撃戦やカーアクションや爆破などの派手なアクションを見せること」のみであることが判る。
それ以外の、ストーリーや芝居や演出は一言で言って「大味」で、それらの出来を良くしようとすることには無頓着だったのだろう。
(テロリストが企業を標的にする前の部分のストーリーは要らないんじゃないの?)
派手なアクションシーンの資金を得るためと思しき多くのスポンサーのロゴを恥ずかしげもなくデカデカと画面に映すのも、そのことが変な印象を与えるとかは気にしてないからだろう。
製作者の石原裕次郎が、自作の映画『黒部の太陽』をスクリーンでの上映にこだわって長い間ビデオ化もテレビ放映もさせなかったことも、ずっと映画製作の願望を口にしていたのも、「西部警察」にも表れている「大画面でしか表現できないスケールの大きな映像」への彼の強いこだわりなのだろう。
そんなわけで、アクションしか考えてない「西部警察」は、映画やドラマというより、花火大会に近いのかもしれない。
「潔い割り切り」とも言えるが、「西部警察」のアクションが物足りないと感じるのは、『ワイルドバンチ』あたりと比較すると、アクションは「スケール」も大切だが、それ以上に「質」が良くないと結局は記憶に残らないからだと思う。
質の追求もした方が良かったのかもしれないが、週一のドラマでは製作に追われて難しいかな?