シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『死人に口あり』」 ★★

【原題】The Amnesiac(意味「記憶喪失症」)
シーズン4、第13話
1969年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レザ・S・バディ【脚本&原案】ロバート・マルコム・ヤング【脚本】ケン・ペタス【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、レナード・ニモイ、グレッグ・モリス、ピーター・ルーパス、ジュリー・グレッグ、アンソニー・ザーブ、スティーヴ・イーナット、他
2017/08/24(木)17:58再放送、BSジャパン、2017/08/26(土)鑑賞
<ストーリー>
 安価な核兵器の材料になるトレバニウムが、某国の保安長官ボルダ大佐(ザーブ)らによって2年前にアメリカ国外に盗み出され、金曜日に他国に売られる情報を得たが、彼の部下のヨハン少佐(イーナット)が仲間のオットーを殺して独り占めしてどこかに隠し、ヨハンがオットーに着せた濡れ衣をボルダは信じていた。
 ボルダの部下でオットーの恋人だったオバーとヨハンが来たレストランで、IMFメンバーのモニーク(グレッグ)がピアニストとしてオットーの好きな曲を弾いて彼のライターを使い、画家に扮したパリス(ニモイ)がオットーが好きな画家の画風の似顔絵を描いて彼女に近づいた。
 某国のポルツィンから、金曜日までにトレバニウムを見つけて、別口の北アジア民共和国でなく自国と取引するようにと迫られたボルダは、オットーが生きているかもしれないとのオバーの進言を受けて調査し、オットーは事故で記憶を失い、整形手術でパリスの姿になったと思わせることに成功した。
 しかし、ライターが偽物だと見抜いたヨハンはモニークの楽屋を訪ね、モニークは秘密をボルダにバラされたくなかったら儲けを山分けすることを持ち掛けた。
 パリスが予約していた精神科医に成りすましたジム(グレイヴス)に、ボルダは保安局内で記憶を取り戻す催眠治療をすることを命じた。
 パリスの証言でボルダに疑われることを恐れたヨハンは、モニークに隠し場所を教え、パリスに会った時にそれを彼の口から話してもらうように頼んだ。
 隠し場所の倉庫で、モニークが交通事故を起こして注意をそらすすきに、バーニー(モリス)たちがトレバニウムをすり替えトラックで運び出し、パリスが「ヨハンが倉庫に隠した」と言ったことで、ボルダとポルツィンは中身を確認しないまま取引成功を喜び、倉庫に来たヨハンを射殺した。
<感想>
 個人的に「多くの作品で目にするが、名前を覚えるには至っていない」俳優としてはトップクラスのアンソニー・ザーブと、彼と同じく「スパイ大作戦」常連のスティーヴ・イーナットを配して、イーナットが出演した「エリート情報官の推理」に迫るほどの「一度観ただけでは理解しきれない程の込み入ったストーリー」の作品に挑戦。
 込み入っている理由は、「奪還しなければならない核物質の隠し場所が不明で、ハードルが高い任務であること」と、「ターゲットの2人の間に裏切りがあって、一括りにできな複雑な状況であること」。
 その結果は、まず「モニークのライターが偽の作り物だと見抜いたのに、そんな彼女の言ったことが作り話だと思わずほぼすべて信じたこと」が一番の矛盾点。
 次に気になったのはいわゆるご都合主義で、「ターゲットが要所要所で違う判断をしたらその後の展開の可能性が無数に枝分かれして、それらにすべて作戦が対応できない。結局ターゲットが都合の良い判断をしたからこそ成り立つストーリーなのでは?」ということ。
 その一例は、核物質の隠し場所が判ったあとの奪還の手はずが、まるで最初からそこだと判っていたかのように順調過ぎること。
 ついでに、トラックの荷台いっぱいの大きさの巨大な核物質の容器とフォークリフトが荷台があったはずなのに、バーニーが逃げるために荷台に乗った時には荷台は空だったり、その後も荷台にIMFメンバーと「グローブ・レパートリー劇団」の団員が数人乗りむことが出来たのは、明らかなミス。
 でも、そんな疑問点は、ストーリーの複雑さに隠れて気にならずに観られたから良いのだが、一方で複雑なストーリーならではの面白さが発揮できていたか?というと、「複雑すぎるなぁ」の方が勝ってしまった印象。