シネサルの「映画のブログ」

星(★/☆)の採点は、★4つで満点 ☆は0.5 ★★★★人類の宝/★★★☆必見/★★★オススメ/★★☆及第点/★★中間レベル/★☆パスしてよし/★ひどい/☆この世から消えろ

「スパイ大作戦『美しき外交官夫人(二重スパイをでっちあげろ!)』」 ★★☆

【原題】The Diplomat(意味「外交官」)
シーズン3、第8話
1971年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】ドン・リチャードソン【脚本】ジェロルド・L・ルドウィッグ【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、マーティン・ランドー、グレッグ・モリス、ピーター・ルーパス、リー・グラント、他
2018/02/26(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/02/27(火)鑑賞
<ストーリー>
 アメリカのミサイル・コントロール・センターの所在の情報が、ソ連っぽい敵国のスパイのバレット少佐に知られて本国に伝えられてしまい、敵国のスパイのトランドがその情報の裏とりをしている最中に、情報がウソであると思わせることをIMFが命じられた。
 パーティに潜入したトランドが、大統領顧問の妻でIMFメンバーのスーザン(グラント)を、夫がミサイルの情報に関わってると思わされて接近し、彼を連れて帰宅したスーザンは、彼女を浮気の写真で脅すために家に現れた記者に扮したローラン(ランドー)に金庫の中のお金を渡すことで、トランドに金庫の中の書類を見せた。
 敵国の大使館の車をウィリー(ルーパス)が故障させ、修理工に扮したバーニー(モリス)が車内に人が隠れる事ができるように改造し、本国からの書類の運搬係を空港から乗せた時に、潜んだバーニーがガスで眠らせ、アタッシュケースの中の書類をすり替えた。
 バレットの仲間だと言って大使館に現れたジム(グレイヴス)の身元を証明する書類が、すり替えられたニセモノだと見抜いたトランドの上司のヤトコフは、ジムがアメリカのスパイだと思いつつ、ジムを泳がせた。
 トランドはローランに会いに行って写真のネガを脅し取り、逃げたローランは事故死したように見せかけた。
 トランドは、写真と引き換えにお金を借りたいとスーザンに言い、金庫を開けたところで中の書類を撮影し、スーザンには大量の薬を飲ませて自殺に見せかけて殺そうとしたが、その手口を知っていたIMFは医師を待機させて、トランドが去った後にスーザンの命を救った。
 トランドは、ヤトコフに撮影した情報がバレットの情報と一致していたことをヤトコフに示したが、その後現れたジムも同じ所在地の情報を持ち込んだことで、ヤトコフはすべてアメリカが用意したニセ情報だと思い、アメリカのスパイ疑惑でトランドを射殺した。
<感想>
 敵が一度信じた情報を、ウソの情報で塗り替えようとすることは、敵を一からだますことより作戦が一段階高度になる。
 そのせいか、どうやって作戦が完結するのかがラストの直前まで予測が難しく、サスペンスとしての面白さが増している。
 スーザンを殺させるように仕向けながら、死ぬ前に救命するというトリッキーな作戦もさることながら、敵が中々現場から離れないため救命に向かえず、死が迫る様子を長々と描いてスリルを引っ張るシーンも、結末は予想はつくものの緊迫感は高まった。
 以上、「スパイ大作戦」の洗練された魅力が発揮できていた回だった。

 「スパイ大作戦」の舞台は、大半は撮影所のあるロサンゼルスだと思われるが、今回は駐米大使館があるワシントンDC。
 でも、敵国の大使館(?)が郊外の住宅街の中の邸宅に見えた以外は、舞台の違いはそんなに意識されない。

 リー・グラントは、亡くなったとの記事を目にした記憶がなかったので、調べたら92歳で存命だった。
 1925年生まれなので、撮影時は42歳ぐらい。