シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『カジノ規制法(シンジケートからきた男)』」 ★★☆

【原題】Casino(意味「カジノ」)
シーズン6、第21話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レザ・バディ【脚本】ウォルター・ブラフ、ハワード・バーク【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ・ピーター・ルーパス、ジャック・キャシディ、他
2018/04/09(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/04/09(月)鑑賞
<ストーリー>
 シンジケートの資金源のカジノの経営者のケラー(キャシディ)の悪事の証拠を入手し、ギャンブル規制法の法案通過を助けることを命じられた。
 ウィリー(ルーパス)がシカゴから派遣されたディーラーになりすまし、カードのイカサマを披露してケラーに雇われた。
 シンジケートとは別にケラーが協力関係を結ぼうとしている組織から来た人間にバーニー(モリス)が成りすましてケラーを訪ね、「検察がケラーをシンジケートの幹部だと見なした」の記事を載せたニセ新聞を見せて、釘を刺して立ち去った。
 シンジケートから派遣されているキャメロンと部下は、ケリーの部屋に仕掛けた盗聴器でそれを聞いていたが、ジム(グレイヴス)が配線に細工をして別な音声を聞かせることができるようにしていた。
 客に扮したケイシー(ジョージ)が不渡りの小切手でチップを買い、その代金を肩代わりする男に扮したジムと共にケラーのオフィスに入ると、ケラーはバーニーから受け取った新聞に載っていた強盗犯の仮釈放の記事の男がジムだと見抜き、未発見の強奪金を目当てに、ジムに千ドルを貸してカジノで博打をしてもらうことにした。
 この時の盗聴の音声も、バーニーが再生した会話テープに差し替えられていて、キャメロンに「ケラーが3人と協力して金庫の大金を持ち出す相談をしている」と思わせた。
 キャメロンは、ジムとケイシーのホテルの部屋を訪ね、2人を脅して白状させようとしたが、逆に捕らえられた。
 ジムとケイシーがウィリーのテーブルでブラックジャックを始め、ケラーの指令でウィリーがジムに5千ドルすらせて、ジムが「イカサマだ」と騒いでつまみ出されるすきに、ウィリーがテーブルの売上の金箱をケイシーが持ち込んだものとすり替えて、金庫番に納めた。
 実は内部がロボットである金箱は全自動金庫の中に入れられ、現金輸送車を運転してカジノの地下に潜入したバーニーが遠隔操作して金庫内の警報装置のバッテリーを破壊した後、床下に穴を開けて積み重ねられていた紙幣もろとも金庫室内の空気を吸い出し、近くの廃墟の町の銀行に向かった。
 ケラーはお金をすぐ返さないと警察を呼ぶと言ってジムを脅し、ジムとケイシーが廃墟に向かったのをケラーたちが後をつけた。
 ウィリーの通報で拘束されていたキャメロンが発見され、金庫が空になっていることに気付いたキャメロンは、ジムが部屋に遺した地図から廃墟へと向かった。
 廃墟でジムが大金を手にしているところをケラーが横取りしようとし、そこにキャメロンが現れ、ケラーは「12年前の強奪金だ」と説明したが、紙幣の年の刻印からカジノの金庫から盗まれた物だと判った。
 そこにバーニーが現れケラーを救出するが、そこに州の法務の役人が現れ、ケラーはキャメロンに殺されるより証人になる方を選んで彼らと立ち去った。
<感想>
 「キャメロンが盗聴の結果、ケラーが裏切ったと断定したで決着して、その後ジムとケイシーを調べるために彼らの部屋に現れなかったら、作戦は上手くいかなかった」の点に代表されるように、「ターゲットがIMFの思惑通りに動いてくれなかったら作戦が上手くいかない」ポイントがいくつもあり、かなりの綱渡りの作戦で実現性は乏しい。
 でも、そんなことのリアリティを気にしなければ、ターゲットを誘導する心理的工作を重視した作戦であり、ターゲットを破滅させるのではなく証言をする気にさせる結末といい、かなり洗練されたストーリーと言える。
 それでも、「声帯模写の名手を使えば、誰の声色でも真似できて、会話の内容を捏造できる」という設定もご都合主義過ぎて安直だと思うのだが…、まぁドラマってしょせん「面白いと感じること」が目的なのだから、不都合なことには目をつぶろう。