シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『暗号名"K"を暴け』」 ★★☆

【原題】Lover's Knot(意味「恋人のしるしの結び目」)
シーズン4、第21話
1970年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督】レザ・バディ【脚本】ローレンス・ヒース【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】ピーター・グレイヴス、レナード・ニモイ、グレッグ・モリス、他
2017/08/24(木)17:58再放送、BSジャパン、2017/09/04(月)鑑賞
<ストーリー>
 イギリスのアメリカ大使館の暗号解読を狙う敵の諜報組織は、ウェストン卿の夫人のコーラが色仕掛けでアメリ大使館職員に接触を試みていた。
 組織のトップである暗号名「K」の正体を突き止めるため、ジム(グライヴス)が新任の武官に、パリス(ニモイ)がジムと古くからの知り合いの大使館職員に成りすまし、卿のパーティーに出席してパリスがコーラと深い関係になろうとした。
 Kの指令でコーラはジムをカジノに連れて行き、イカサマで巨額の借金を負わせて、組織が肩代わりする見返りに無線の周波数調整装置の持ち出しを要求した。
 装置を手にして無線電話を傍受できるようになった組織に、「パリスはアメリカのヨーロッパ諜報組織の指揮官で、彼を活動資金横領の罪で緊急逮捕せよ」との本国からの指示の通話を聞かせた。
 パリスを取り込むためにコーラは自分のアパートに呼び、そこにジムが現れてコーラを巡ってけんかになってパリスはジムを殴り殺し、地下の焼却炉で死体を焼却したが、それはバーニー(モリスが)が作ったニセの炉だった。
 逃げ場のなくなったパリスは亡命の取引をするために、Kことウェストン卿の屋敷に行き、「パリスをNATOの秘密会議に出席させよ」との通話を傍受させ、会議の情報を欲しがったKがパリスを屋敷から出させたところで、Kの正体を探るIMFの任務が完了する予定だった。
 しかし、通話がウソだと見破ったKがパリスを連れ戻そうとし、パリスはジムたちに救出されるも、出会った当初から「コーラは根っからのスパイじゃない」と思って、情を抱いた彼女に同情的な発言をしていたパリスは、屋敷に戻って彼女を連れ出して警察へ向かい、残ったKは自殺した。
<感想>
 冒頭のテープによる恒例の指令が省略されていることでも明らかなように、シリーズにおける変化球的作品。
 しかも、小道具や仕掛けに頼らず、心理戦がメインの本格的スパイ物に挑戦した意欲作で、結構上手く出来てると思う。
 でも、一見して面白さが感じにくいのは、大幅に恋愛要素を取り入れる事の難しさからだろうか?
 そもそも、冷徹なスパイの使命と、感情に流される恋愛との相性が悪い。
 男女2人とも、お互いに相手を色仕掛けで騙す任務を課せられているので、心の中が読みづらく状況が解り難い。
 恋心を膨らませる展開を描くには、1時間は短い。(オーバーラップやボケを多用して、画面だけでも雰囲気を盛り上げようとする意思が感じられた。)
 以上の理由で、出来が悪いというよりハードルが高かったというところか。