シネサルの「映画のブログ」

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「スパイ大作戦『指令なき作戦計画』」 ★★

【原題】Kidnap(意味「誘拐」)
シーズン7、第11話
1972年、アメリカ、カラー、1:1.33、35mm、英語、吹替、約47分
【監督&出演】ピーター・グレイヴス【脚本】サミュエル・ロッカ、ジェームズ・L・ヘンダーソン【エグゼクティブプロデューサー】ブルース・ゲラー
【出演】グレック・モリス、リンダ・デイ・ジョージ、ピーター・ルーパス、他
2018/05/07(月)17:58再放送、BSジャパン、2018/05/07(月)鑑賞
<ストーリー>
 ジム(グレイヴス)がテニスクラブで誘拐され、一緒にいたバーニー(モリス)にメツガーと名乗る男が接近した。
 メツガーは、2人が以前カジノから金と資料を盗んだのを撮影した防犯カメラの映像を調べたと言って、その写真をバーニーに見せた。。
 メツガーの殺人罪の証拠の手紙を餌にメツガーから縄張をもらっていたコナリーが、自分が起訴を免れるのと引き換えに手紙をと3時に当局に渡す司法取引を結んだので、メツガーはジムと引き換えに手紙を貸金庫から盗んで4時半までに持って来るように脅した。
 ケイシーが銀行の貸金庫の開設の客に扮して、ひそかに鍵穴にプラスチックを流し込んで銀行のマスターキーの型を獲って帰ったが、メツガーの写真を持っていた1人の銀行員がケイシーの写真と照合した。
 コナリーと捜査官が、貸金庫のある銀行に向かうためにアパートの部屋を出て乗ったエレベーターに、ケイシーとウィリー(ルーパス)も同乗した。
 エレベーターの管理会社の点検の人間に成りすましたバーニーがアパートに潜入して、基盤を操作してエレベーターを止め、錯乱したケイシーがコナリーのポケットから貸金庫のかぎをスッて型を取って元に戻した。
 コナリーの車をパンクさせたすきに、ケイシーが先回りして貸金庫から手紙を盗み出したが、銀行員の通報でメツガーの部下のホークスが手紙を横取りした。
 バーニーはメツナーに「手紙を手に入れた」と嘘の電話をしたがバレなかったので、ケイシーの記憶を元に封筒を偽造して、3人でメツガーの家に行った。
 ジムの無事を確認するために彼が拘束されていた地下室に連れて行かれ、そこにホークスが現れて全員を銃で脅してメツガーから金をせびろうとするが、実は拘束を解いていたジムがクリーニング駅をヒーターにかけてショートさせ、暗くなって乱闘がはじまり、IMFは全員を地下室に閉じ込めて、通報していた警察に後を任せて立ち去った。
<感想>
 シーズン6第21話の「カジノ規制法(シンジケートからきた男)」の続編。http://d.hatena.ne.jp/hkwgch/20180410/1523332185
 とはいえ、前作を知らなくても全然問題ないくらい、2作品はつながりが薄いし、脚本家も別。
 ジム・フェルプス役のピーター・グレイヴスが監督で、どうりで彼の出演シーンが少ないはず。
 彼が生涯に監督を手掛けたテレビドラマ2作品中の2作目。
 不在のジムに代わってバーニーが作戦を立てるストーリーだが、複雑な作戦を不思議と遜色なく立ててしまう(笑)。
 今回の「つじつまが合わない細部」。
  (1)メツナーから要求を受けたのが9時40分頃で、タイムリミットが16時30分という短い時間での作品なのに、ケイシーがスリの訓練をしたことになっている。
     (今回の作戦のためということでなく、以前からスリの練習していたということかな?)
  (2)ケイシーがエレベーターの中でコナリーから貸金庫の鍵をポケットからスル時に、胸ポケットを狙って一発で成功してしまう。
     (一瞬コナリーが胸ポケットを押さえたので、それを見て鍵のありかが判ったのだろうと一応説明がつくが、コナリーが何もしなければどのポケットにあるかは判らず、作戦としては無理過ぎる)
  (3)監禁されていて、メツガーとバーニーの取り引きの詳細を知らない筈のジムが、最後に「警察に知らせたか?」とすべて知っているかのように振る舞う。
 以上。
 これらは、特に作品をつまらなくしているわけではないが、細部まで注意が行き届かないのは、作り手の意気込みが薄れてきているからなのでは?と勘ぐってしまう。
 貸金庫内で、銀行員の注意をそらすために長々と咳き込んだり、エレベーター内でスリをはたらくために長々と狼狽したりするのも、野暮ったい印象を受けた。